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SyntaxHighlighter

2011年4月15日金曜日

[PX] E はいらない子?

"shelxDで重原子位置決めたら、後は Solve/Resolve で位相つける"という人も多いんではないでしょうか。

今回は、そういうお話です。

※Eも、高分解能 or 高溶媒含量の場合には、結構キレイな位相をつけるんですけどねぇ…

shelxDは、見つけた重原子位置をPDBフォーマットでファイル出力(*_fa.pdb)します。
CRYST1   78.500   78.500   78.500  90.00  90.00  90.00                          
SCALE1      0.012739 -0.000000 -0.000000       -0.00000                         
SCALE2     -0.000000  0.012739 -0.000000        0.00000                         
SCALE3      0.000000 -0.000000  0.012739       -0.00000                         
ATOM      1  S   UNK     1     -20.219  -1.554 -12.937  1.00 20.00              
ATOM      2  S   UNK     2     -13.200   2.020  -5.879  0.75 20.00              
ATOM      3  S   UNK     3     -28.074  -5.902 -10.752  0.64 20.00              
ATOM      4  S   UNK     4     -12.519   3.034  -7.538  0.46 20.00              
ATOM      5  S   UNK     5     -27.973  -6.668 -11.783  0.41 20.00              
ATOM      6  S   UNK     6     -15.793   6.357  -5.934  0.40 20.00              
ATOM      7  S   UNK     7      -8.074   0.238 -17.357  0.35 20.00              
ATOM      8  S   UNK     8     -21.993 -10.205 -10.905  0.32 20.00              
ATOM      9  S   UNK     9     -28.777  -2.064  -7.107  0.27 20.00              
END

これを shelxE 以外のソフトウェアで精密化したい場合には、適宜フォーマット変換しなければなりません。

例えば、ccp4 に含まれる mlphare で精密化する場合には、CCP4_HAフォーマットに変換します。この変換には「coordconv」というプログラムを用います( ccp4i なら、【Corrdinate Utilities】→【Convert Coordinate Formats】)。

変換された HAフォーマットは、フラクショナル表現となっています。
 ATOM1    S     -0.25757  -0.01980  -0.16480    1.00 0.0 BFAC     20.000
 ATOM2    S     -0.16815   0.02573  -0.07489    0.75 0.0 BFAC     20.000
 ATOM3    S     -0.35763  -0.07518  -0.13697    0.64 0.0 BFAC     20.000
 ATOM4    S     -0.15948   0.03865  -0.09603    0.46 0.0 BFAC     20.000
 ATOM5    S     -0.35634  -0.08494  -0.15010    0.41 0.0 BFAC     20.000
 ATOM6    S     -0.20118   0.08098  -0.07559    0.40 0.0 BFAC     20.000
 ATOM7    S     -0.10285   0.00303  -0.22111    0.35 0.0 BFAC     20.000
 ATOM8    S     -0.28017  -0.13000  -0.13892    0.32 0.0 BFAC     20.000
 ATOM9    S     -0.36659  -0.02629  -0.09054    0.27 0.0 BFAC     20.000

ただし、このままですと「Anormalous Occupancy」が0.0ですので、mlphare にかける場合には、これを全て1.0に書き直す必要があります(参考)。


精密化に Solve を用いる場合、重原子位置はパラメータとして与えることになります。
このフォーマットは、HA フォーマットと同様なフラクショナル表現なんですが、その記述順が若干異なっています(ここでは便宜的に「XYZフォーマット」と呼ぶ)
 …
mad_atom S

lambda 1
label SAD data for S
wavelength 2.600
fprimv_mad 0.3357
fprprv_mad 1.4246
atomname S
xyz -0.25757  -0.01980  -0.16480
 occupancy 1.000
 bvalue 20.000

xyz -0.16815   0.02573  -0.07489
 occupancy 0.750
 bvalue 20.000

xyz -0.35763  -0.07518  -0.13697
 occupancy 0.640
 bvalue 20.000
 …

まぁ、1つ1つ手で書き換えてもイイんですが、面倒なので ccp4i タスク「ha2xyz」を作ってみました。
ダウンロードはココから。
インストールすると、【Corrdinate Utilities】の一番下と、【Program List】のアルファベット順の2箇所に入ります。

【HA in】で指定したファイルを、XYZフォーマットに変換してテキストフレーム内に出力しますので、それを solve スクリプトにコピペすればOKです。

shelxD →Solve の場合には、「coordconv」→「ha2xyz」と2回操作がいるのが面倒ですが、我慢してくださいw


※ちなみに、以前アップしたコレだと、直接HAフォーマットを読み込めるようになってます

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