2017年12月19日火曜日

「新しい pi-top」開封の儀

新しい pi-top

ご無沙汰しております、一年ぶりのエントリですw
注文してた「新しい pi-top」が届いたので開封して立ち上げました。


はじまり


 ことの起こりは、息子氏(小4)が「らずべりーぱいでぷろぐらみんぐしてみたい」と言い出したことからはじまりました。購読してる『子供の科学』で連載してる記事を見て、“Scratch”や“MINECRAFT PI”をやってみたくなったそうです。

 息子氏曰く「『こどものかがく』でうってる」とのことでサイトを見てみると、Raspberry pi3本体とケース、それにモニタ・キーボード・マウス・電源込みのセットが売ってます。

 が、モニタが持ち運びの便を考慮したのか「10インチ(1024 x 600)」とかなり貧弱で、目の悪い息子氏にはすこしヨロシクない仕様でした。

 「リビングで操作方法を教えながら使わせて、自室には持ち込ませない」という運用方法を取りたいので、デカいモニタやらキーボードやらを毎回運んで繋いで、終わったらバラして仕舞って……は面倒なので避けたいところです。


(……そういやぁ「pi-top」とかいうラズパイをノートパソコン風にするキットが売ってたなぁ)


と思い出してググってみたところ、2017年10月に新型が発売されたらしいことがわかりました。

 この新型pi-top(以降、pi-top v2)は、「14インチワイド(1920 x 1080)」と大きめで高精細なモニタを使っており、目の悪い息子氏にもヨロシイ感じなので、これを買い与えることにしました。

発注と到着


 2017年12月初旬の段階では、この pi-top v2 を日本国内で取り扱ってるところは皆無でした。しかたがないので、本家「pi-top.com」から購入することにしました。

 このサイトでは、中身である「raspberry pi 3 model B(以降、pi3)」を含んだセットで購入することが可能なのですが、このボードはWifiとBluetoothチップが載っているため日本国内での使用には技適認証が必要となっています。本家で買うと技適認証済みのpi3であるかどうか不明でしたので、本家「pi-top.com」からは「pi3なし」の「pi-top v2」を購入し(送料込みで$284.99)、pi3自体はAmazon(のチップワンストップ)から技適認証済みのものを購入しました(¥5,600弱)。

 2017年12月初旬に発注し、pi3は2日ほどで到着しました。pi-top v2は、受注確認のメールがきてから一週間経ってもトラッキングコードを寄越さなかったり等ありましたが、10日ほどで到着しました。

 で、pi-top v2の受け取り時に「国内消費税と手数料」で¥2,500弱 ほど配達員さんに現金で払う必要がありましたw 本家からの購入を検討してる方はご注意くださいw

開封


 まず外箱から。pi-top v2本体が1.5kgくらいあるので、箱全体はかなりズッシリと重いです。

外箱(表面)

外箱(裏面)
では、開封。

外箱を開けたところ
早速、ネコに邪魔されました(ΦωΦ)

『この段ボール箱はもらってイイのですか?』
外箱裏にはポケットがあり、同梱されている『Inventor's kit』で使うカードボード類が収められています。

Inventor's kit のカードボード
これが内蓋を開けたところ。

内蓋の中
内蓋の裏には冊子が2つ入っています。

『GETTING STARTED』
『INVENTOR GUIDE』

 この2冊とも、太っ腹なことに、本家サイト上で中身がPDFで公開されています(『GETTING STARTED』、『INVENTOR GUIDE』)。

 『GETTING STARTED』のほうには、中に専用OSである「pi-topOS」がインストールされた8GBのマイクロSDカードが添付されていました。

「pi-topOS」マイクロSDカード
『Inventor's kit』と連携するアプリやRPG風プログラミング教育ソフトが入ってたりと魅力的なんですが、日本語化されてないので今回はインストールしません。

 内蓋の中はこんな感じ。右上の白い箱にはACアダブタが入っています。左上の空いてるところは多分ラズパイが入る空間かと思われます。

内蓋の中

 pi-top v2本体を取り出すと、下には『Inventor's kit』の箱が入っていました。

『Inventor's kit』

『Inventor's kit』の同梱品
『Inventor's kit』は、ラズパイのGPIOに繋いで電子工作を制御するキットですが、同梱品としてはかなり奢った内容になっています。
  • GPIOに接続できるブレッドボード「pi-topPROTO+」
  • 圧電ブザー
  • 超音波センサー
  • 照度センサー
  • 温度センサー
  • マイクロマイク
  • プッシュボタン
  • LED
  • 半固定抵抗
  • 固定抵抗
  • ジャンプワイヤ
 従来あった「pi-topPROTO」はスルーホールが開いてるだけのバニラボードでしたので、この「pi-topPROTO+」はぜひ単品販売して欲しいですね。

 注意点としては、この「pi-topPROTO+」ではGPIOがソケットで出ていることです。従来品の 「pi-topPROTO」は基板上部のラズパイGPIOがピンで出ているので、市販のHAT(Hardware Attached on Top)をそのまま挿すことができますが、「pi-topPROTO+」はソケットですのでピンヘッダで変換してやらないとHATが挿さりません。ジャンプワイヤを挿すには便利なんですがねぇ……

 ……まぁこれもしばらくは使うことないので押入れ行きですがw

 これが同梱されてたACアダプタ。ご丁寧に「pi-top」とモールドされてます。

ACアダプタ本体
ACアダプタ裏面
同梱のプラグアタッチメント
ACアダプタはワールドワイド仕様で、入力が100ー240V/50・60Hz 1.0A、出力が18V 2.5Aとなっています。

 本体にプラグアタッチメントをスナップすることで各国のコンセントに対応できるようになっています。同梱されてるアタッチメントは、写真左から「ヨーロッパ(C型)」「イギリス(BF型)」「オーストラリア(O型)」「アメリカ(A型)」です。

 日本はアメリカと同じA型なので、このアタッチメントを使えばAC100Vのコンセントにつなぐことができます。

DC出力プラグ
DC出力プラグは、いわゆる「φ1.7mm」てやつで、「外径4.0mm/内径1.7mm」でジャック側にセンターピンがあるタイプで、極性は「センタープラス」です。

組み立て


  組み立て手順は『GETTING STARTED』にイラスト入りで詳しく描かれていますので、それに従っておこないます。

1.  液晶を開き、キーボード上部左右にあるヘコみに爪をかけて軽く手前に引くと、キーボード部がスライドして中にアクセスできるようになります。

本体キーボード部
写真には写っていませんが、2本あるレールに何か小さい金属片がくっついています。

「pi-top Multi-tool」
これは「pi-top Multi-tool」とかいうご大層な名前がついてますが、要するに「ネジ回し兼マイクロSDカードリムーバ」ですw 右に見える隙間を使ってマイクロSDカードを抜き差しできる、という触れ込みです(やってみてはいませんがw)。ネジ回しは、結構狭いところでそれなりに力入れて回さないとイケナイので、こんなショボのではなく、ちゃんとしたプラスドライバー(小)を用意したほうがイイです。

 内部左端にpi-topのキモである「hub基板(以降、pt-hub)」とそれに覆いかぶさる銀色の「Cooling Bridge」が見えます。※ 下の写真は「Cooling Bridge」と「pt-hub」を止めているネジを既に外してしまっていますw

本体内部
 

2.  「Cooling Bridge」を止めているネジを外し、「pt-hub」基板から取り外します。外したネジは後でまた固定に使うので保管します。
「Cooling Bridge」を外した状態
「Cooling Bridge」の下に輸送時固定用のダミーカードがあります。

「Cooling Bridge」裏側
「Cooling Bridge」裏側には、ラズパイ本体のSoCに接触して熱を逃がすヒートシンク部があります。形状から一瞬「おっ、ファンかな?」と思ったのですが、裏をみるとただのヒートスプレッダだとわかります。

 また、この「Cooling Bridge」は、ラズパイのGPIO全ピンを「pt-hub」側へ渡すブリッジ基板の機能も担っています。基板に謎の石がありますが、これがなんなのか不明です(基板を剥がす勇気はありませんでしたw)。


3. ダミーカードを固定している4本のネジを外し、ダミーカードを取り除きます(ネジはあとでラズパイ本体の固定に使うので保管)。「pt-hub」を少し右にスライドして空間を広げたら、いよいよラズパイの取り付けです。

 ラズパイを取り付ける前に、ラズパイにマイクロSDカードを差し込んでおくほうが良いです。リムーバがあるとはいえ、後から差し込むのは苦労すると思います。

ラズパイを取り付けた状態
ラズパイは、(写真では見えませんが)pi-top本体内部にUSBコネクタ(オス)が2つ飛び出していて、そこにラズパイのUSBコネクタ(メス)を差し込むかたちで取り付けます。その後、ダミーカードを固定していた4本のネジでラズパイをpi-top本体に固定します。

 このとき、USBコネクタの取り付け具合によっては、ネジ穴がうまく合わないことがあります。あまりグイグイやって壊してもアレなので、穴が合わない場合はネジ固定を諦めるほうがイイかもしれません。ラズパイは、USBコネクタと「pt-hub」基板のコネクタの両方が差し込まれるので、ネジなしでも結構ガッチリと固定されるはずです。

 ラズパイが固定できたら、オーディオジャックとHDMI端子を差し込むように「pt-hub」基板を左にスライドします。このときうまく差し込めない場合には、「pt-hub」基板を固定しているネジを緩めてみると良いそうです。


4. 「pt-hub」基板を差し込んだら、「Cooling Bridge」をラズパイのGPIOピンと「pt-hub」基板のコネクタにちゃんとささるように戻し、ネジで固定して完成です。

組み立て完成

眺める


 では、グルッと一回り眺めてみます。

キーボード部
キーボードは、本家は「US配列」だと言い張ってますが、なかなか変わった配列ですね~。

 104キーっぽい感じですが、Enterキーが縦長で109キーっぽい感じもします。記号類の配列は確かに「US配列」ですが、左下[Z]の左横に[><]という見慣れないキーがあるあたり「FR配列」っぽい香りを感じますw

 キータッチは今どきのノートパソコンぽい浅め・軽めで悪くないですね。

 下部には大きめのトラックパッドがあり、トラックパッドの下部分左右はタクトスイッチになっています。

 シナプティクス互換らしく、raspbianではデフォルトで「シングルタップ・ダブルタップ・二本指スクロール・ピンチイン/アウト」のジェスチャーが有効でした(三本指ジェスチャーはできませんでした)。

 キーボードの電源ボタンは「raspbian」でもデフォルトで起動することができました。ただし、「raspbian」では電源ボタンでシャットダウンができるようにはなっていません(ツールを追加インストールすることで可能)。また、画面輝度ボタンも「raspbian」では(多分)無効です、、、確認してませんがw(これもツール追加インストールで可能)。


キーボード裏側
 キーボードをスライドした裏側です。バッテリーはここに収納されているようです。

背面
背面の端子
右側面
背面には、右から 電源ランプ、(ラズパイ本体の)USBコネクタx2、(ラズパイ本体の)LANコネクタ、(pt-hubの)オーディオジャック、(pt-hubの)DC電源ジャックが並んでいます。

 右側面にケンジントンロックがあるのがご愛嬌ですw 左側面はのっぺらぼうで何もありません。

底面
底面には放熱用のスリットが空いています。

内部
内部の「pt-hub」基板の右側には、レールの間あたりにGPIO用ピンソケットがあります。これを使って、「pi-topPROTO+」や「pi-topSPEAKER」「pi-topPULSE」等のアクセサリを接続します。

 基板の右下にはUSBコネクタがあるのですが、これがちょっと謎です。本体背面のUSBコネクタならUSBメモリを挿せばマウントしてくれるのですが、この内部のUSBコネクタは認識してくれません、、、電源供給用途だけなんですかね?

※ 2017-12-19追記
 据え置き型である「pi-topCEED」のHub基板にも同じようなUSBコネクタがあるんですが、そいつは電源供給用途のみだそうなので、「pi-top v2」のもそうなんですかね。

OSインストールと設定


 OSインストールと設定は、まぁありふれた情報なので写真なしでサラッと書きますw

 今回、OSには付属の「pi-topOS」ではなく「raspbian(Stretch 20017-11-29)」をインストールしました。

 OSインストール後に、日本語環境(fcitx-mozc)をインストールし、入ってた日本語フォントが中華グリフだったので、Noto Sans CJK も合わせてインストールしました。

 また、pi-topをraspbianで使うための便利ツールとして、「pt-hub」と「pi-top-setup」および「pi-top-battery-widget」をインストールしました。これで電源ボタンによるシャットダウンや画面輝度設定、バッテリー残量のステータスバー表示が可能になります。

※ ただし、「pi-top-setup」にはちょっとしたバグがあり、ソース修正しないと日本語環境では設定ダイアログが表示されません


感想


 14インチフルHDモニタに悪くないキーボードとトラックパッド、ノートパソコンとして見た場合には、そこまで悪くありません。蛍光グリーンなプラスチック筐体も「ポップなカラーリングのプラスチック製品」萌えなオレには結構好みです(息子氏がどうかは知りませんがw)。しかも、合計4万円弱でノートパソコンとブレッドボード含む電子工作セット一式が手に入ると思えばそれなりにお得感もあります。

 ただ、『ノートパソコンとして』のみを考えるならば、同じような「14インチフルHDモニタ搭載ノートパソコン」がWindows10載っけて2万円とか3万円で手に入る(海外通販探せばもっとある)このご時世に、わざわざ「Windowsじゃない・カメラもない・スピーカーもない」ブツを、倍近いカネ払って手に入れるメリットは皆無ですね~

 この「pi-top v2」は、あくまでも『ラズベリーパイの動作環境を手軽に持ち運べる』ことにどれほどの価値を払うか、という製品なのだと感じます。

 ……個人的にはスピーカーくらいは内蔵しておいてほしかったなぁ、と思います。


最後に


 ググったら「Raspberry Pi Advent Calendar 2017」てぇのがあって、エントリ執筆時点で1日空いてるのを見て、(……あ、参加しようかな)と一瞬思いましたが、オレ、○iitaキライだったのを思い出してヤメましたw


以上

1 件のコメント:

  1. こんにちは、
    pi-top[3]の所有者でRaspberry Pi 3 BからRaspberry Pi 4に換装できないかと調べてここにたどり着きました。
    kitを組み立てたことを思い出しながら読みました。
    Pi4にするならメモリ上限も8GBまで認識させたが、pi-top[3]固有のハードウェアに対応で何をしなけらば行けないかと調べておりました

    pi-topOSに変えてRaspberryOSを利用する際に以下のサイトも参考になりましたのでリンクを張らさせていただきます:

    https://knowledgebase.pi-top.com/knowledge/pi-top-and-raspberry-pi-os

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